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もうこんな時期だ。 仕事が終わる目処は立っていない。 大掃除の予定は特に無い。 脈絡は無いがコンセントの数も足りない。 近くの電気屋らしき家(店舗ではないので)の前で「ご自由にお持ち下さい」としていろいろなモノが置かれている。こういうところで何か面白いモノはないかと物色するのはとても好きだ。それほど大したものは無いのだが、錆びついた昔のヤスリやらノギスやらを拾って持ち帰る。帰ってよく考えると、中にはやっぱり欲しくなかったなこれ、というものも存在するが、まあいいのだ。 何処へやったかわからなくなったものを探すのは全く好きではないが、もしかしたら面白いモノがあるかもしれないと探すのは大好きだ。生きているうちにすることで、これが最も好きなことの一つであるのは間違いない。 骨董市で掘り出し物を探す、古本屋で掘り出し物を探す、アンティーク屋で掘り出し物を探す。掘り出し物を探しているばかりかというとそんなことはなく、砂浜で角のとれたがらくたを拾う(ビーチ・コーミング<beach combing>というらしい)、海に潜って不思議な生き物を探す、町を歩いて町のテクスチャを探す、などもする。 重松さんの『きよしこ』が2刷になった。一ヶ月で増刷は好調だなあ。とても良い小説なので当然といえば当然だ。 |
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しかし、雑用が多すぎて全く仕事に集中できないのは、困ったものだ。雑用も仕事、絵も仕事、だけど。 今日はとても寒かった。 明日もとても寒かった、ら。 |
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山本重也氏と一緒にD&DEPARTMENTの出版記念パーティーへうかがう。いつも思うのだが、ここはとにかく広くて贅沢な空間(カリフォルの500倍くらい)である。建物も古くて良い雰囲気だ。 件の本は、パラパラめくると一見かっこいいビジュアル本かと思うが、実はページ毎にある短い文が重要な、文章の本だった。それらをちゃんと読んでいくと、だんだんと壮大な構想の途方もない全貌が明らかになるように、極めて巧く作られている。大げさに言っているのではなく、本当に壮大なものだ。 良い意味での厚顔無恥さ、これは私も見習いたいと思うところだが(この目印通信はその第一歩のつもり)、到底真似できるものではない。 学研の新しい雑誌、Pooka。期待してます。 |
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昭和十年版アサヒコム。これかなり面白い。レトロ好きにはグラフィックも楽しいし、記事を良く読むと非常に興味深い。 |
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激安セールが流行っているようだが、なんでもかんでも安くしてとにかくたくさん売ろうというのはどうか?モノが売れない時代になったというが、売れなくていいのじゃないだろうか。 100円の安物が100個売れるより、一生大切にしてくれそうな人に10000円の物が1個売れたならそれでよいという気がするなあ。安ければそれほど欲しくない物でも何気なく買ってしまいそうなところが怖い。 高価な物を悩み抜いて苦しんで身銭を切って、それで少し安く買えたら嬉しいが、もとから安いものは要らないでしょう。やぱっりこれからは物の値段をもっと上げるべきじゃないのか? 彩画堂通信面白いです。 |
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あなんじゅぱすの新しいCD『ベースボールの歌』完成打ち上げ祝賀会へ。ひらたよーこさんのお母様の手料理が美味しくて食べ過ぎ、よーこさんがヨーロッパ公演の途中から背負って持ち帰ったワインを飲み過ぎる。 |
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最近のヒットつまみ、旭松のおつまみ納豆しょうゆ味。これは乾燥した納豆なのであるが、ご飯にかけても旨いのではないか。 最近のヒット本、坂崎幸之助の『和ガラスに抱かれて』。 最近の気にくわない言葉「自分にご褒美」。なんじゃそりゃ。「最大の敵は自分」「自分に勝つ」、おまえはクローン人間か。 |
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カリフォルの一周年が間近。自転車操業でヨロヨロと何とか一年やってくることが出来ました。 久しぶりに店へ行って新商品を並べたり、リニューアルの準備。6日にご来店いただくと、新しいアイテムがご覧になれます。 サイトのほうは全然アップデートが追いついてません。 目黒ドライブインで初めてのランチ。ハヤシライスを食べてみる。ドライブインというわりには駐車場が無いようだが、ここは中に入ってみると意外と広い。 |
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夕方、朝日新聞の西夫妻と渋谷のルノアールらしくないルノアールで待ち合わせ、奥泉光氏の朗読会へ行く。音楽あり、いとうせいこう氏との漫才ありで楽しい時間を過ごす。 その後、ベトナム料理を食べ過ぎて帰る。 |
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三ヶ月くらい前に購入したベン・シャーンの本がアメリカより届く。航空便で頼んだはずなのに船便より遅いとは驚きだ。 これはABRAMSよりずいぶん前に出版された巨大な本で、多分ベン・シャーンのに関するものでは一番内容が充実していると思われる。テンペラ画のカラープレートが多いのは非常に嬉しいのだが、本があまりに巨大で重すぎて見るのに苦労する。 |
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どうも最近調子が悪いようだ。毎日夕方になると頭痛がする。こういう状態が一週間くらい続いている。特に風邪をひいているという自覚はないのだが。 とりあえず桑田佳祐の新しいCDを買ってみた。ヨイトマケの唄が入っているので驚いた。戦争と平和と何故か重なっている。アレンジは加藤和彦のほうが好みだ。 ポール・サイモンのDVDを買ってみた。 加藤和彦のCDも買ってみるか? 脈絡ないけど、実は藤山一郎もかなり好きだ。笠置シヅ子ももちろん良い。 |
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見たいと思う展覧会が五つほど。いくつ行けるか。ゼロは避けたいなあ。 江戸東京博物館の本田宗一郎と井深大展。これはいろいろなメディアで紹介されているのでとりあえず見ておきたいというところ。特に昔の製品を見たい。 東京都写真美術館の永遠の蒸気機関車。蒸気機関車が好きなので。あの真黒い鉄の塊が妙に好きだ。本当はストリームラインの機関車だともっといいが。 東京ステーションギャラリーの有元利夫展。かなり好きな作家だ。立体も良い。 印刷博物館の1960年代グラフィズム。タイトルがそそる。 たばこと塩の博物館。ASHTRAYS世界の灰皿。約50カ国の灰皿700点とあるが、どんなだろうなあ。ガラスや陶器やら材質も問わなければ限りなくいろいろあるに違いない。 私も灰皿は数十個持っているが、ほとんどはフランスの古いアドモノばかりだ。あとはドイツのものとアメリカのものが少々。ほぼすべて陶製。カリフォルにもいろいろある。 夜は居酒屋の名店『金田』で飲む。ここはとても好ましい雰囲気の店だ。百合根の梅肉和えや粒蕎麦のとろろなど、つまみも乙だ。ラストオーダーが九時半なのはちょっと早い気がするが。 |
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夜型にずれ始めた生活を戻すべく、夜11時頃に寝たならば何故か朝3時に目が覚める。ちと早すぎるがあまり眠くないので起きて絵本のデザインなど一仕事。 6時くらいに一時間ほど散歩。 風呂に入って朝食。 アメリカのディーラーにメールで値段交渉したり支払いしたり。 新聞挿絵のスケッチ。 昼食に烏賊とブロッコリのパスタを作る。 数日間しばらく試行錯誤していた犬の絵を一点完成。 新聞挿絵を一点完成させメールにて送信。 眠いので夜9時に寝る。 |
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昨日のNHKホールでのフォークルコンサート、チケットも無いし当然行けるわけはないので仕事をしながらおとなしくCDを聴いていたのだが、これを見るとかなり凄そうだ。 |
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西さんが焼酎のお湯割りのつまみには胡麻せんべいが合うと言っていたので試してみた。といっても私の場合は、胡麻焼酎のお湯割りにせんべいだ。これじゃ試したことにならないか。 焼酎は紅乙女。これを気に入って最近よく飲んでいる。胡麻の香りがとても良い。 |
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しかし、やってもやっても仕事が追いつかないなあ。 仕事中の楽しみはBGMのフォークル、戦争と平和。 |
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朝日新聞の西さんとかまくらやという店にて飲む。青木ヶ原の洞窟まで一緒に取材に行って以来久しぶりだ。 前におでん屋で出会った秋刀魚の子供、珍しいということだったが、ここでも発見。おでん屋ではハリ子と書いてあったが、ここでは春子だった。ごく小さいこの魚を炭火で炙って食べる。 その後、何か甘いモノが食べたくなり、人生で二回目となるスターバックスでバナナケーキを買って帰る。結局、コーヒーは飲んでいないわけだ。なんか種類が多すぎてよくわからないし。 |
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今流行りのスターバックスカフェ、今までの人生で1回しか入ったことがない。これはかなり自慢だ。 ちなみにエクセルシオールカフェは0回、タリーズコーヒーは0回、サンマルクカフェは1回で、ドトールは10回くらい行っている可能性がある。ドトールだと注文するのはいつもアイスロイヤルミルクティー。結局コーヒーはあまり飲まないらしい。早く帰って緑茶を啜ったほうが良いという感じ。 今流行りのおしゃれなカフェーもまず滅多に行かない。昔ながらの喫茶店ならまだしも、カフェーというのはどうも落ち着かない気がする。よく考えてみると、そもそもたくさんの知らない人々と同じ空間で食事をしたり飲んだりするというのは、どうも違和感がある。 精神状態が中学生の頃のまま止まっているせいか、当時の含羞をそのまま引きずっており、自分の存在自体がかなり恥ずかしいと思うことがよくある。何か自分の言ったりやったりしていることが恥ずかしいというのではなく、存在そのものが恥ずかしいのだ。遊体離脱してみるとよくわかる。 仕事で大人と対等に話しているのが不思議だし、携帯電話などは恥ずかしくてなかなか群衆の中では使えない。昔PDAを買ってみたことがあるが、同じ理由で電車の中などではとても使えず、家で使うばかりなのでPDAの意味が無く、手放した。 とは言うものの、外食もするし飲みにも行くし、とりあえず仕事も普通にこなしているので大丈夫でしょう。 |
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ある本の装画用でキャンバスに油彩を開始。深みを出すためには何度も塗り重ねないとならないが、果たして間に合うか。 |
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夜、またおでん屋へ行って飲む。つまみに「はり子」というモノを食す。秋刀魚の子供でかなり珍しいらしい。これの干物を炙って齧るわけだ。その味は苦み走っており、いかにも日本酒に合いそうだ。 ここのおでんは、関西風というのか、私が今までの人生の中で食べてきたおでんとは随分違うもので、もともとあまりおでん好きではなかったのだが、これなら旨い。しかし、よく考えてみると練り物があまり好きではないので、注文しているのがそれ以外のものばかりだったというだけかもしれない。牛すじとか。 |
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ペインターでありイラストレーター、現在はアートセンターで教鞭も執るアレックスが遊びに来た。彼は近いうちにTaschenから本を出すらしい。どんな本かは言えないが、Taschenだけに彼の作品と併せて考えると、わかる人はなんとなく想像できるのではないだろうか。 うちでしばらく歓談した後、カリフォルへ案内する。目黒で飲む。 |
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駅近くのおでん屋にて一人で飲む。 |
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再び打ち合わせでブルーオレンジスタジアムへ。 ある店を探して渋谷と原宿の間を行ったり来たりして疲れる。目的の店は結局見つからなかったが、hhstyleがあったので覗く。 椅子がたくさん売られているが、しかしこうもリプロダクションばかりだとどんどん興味が失せていくなあ。たしかプルーヴェの家具も随分復刻されているようだし、もうどうでもいい。 家具だけでなく、カリフォルで扱っているようなアドグッズにもリプロダクションの波が押し寄せている。とにかく止めて欲しい。 安い値段でオリジナルとそっくりのモノを買って満足するか、こだわって粘って探してオリジナルを買うかは人によると思うが、私の場合はそのモノというより経過した時間を買っているようなものなので、新しいものにはあまり惹かれない。考えてみれば、中学生の頃から古いものが好きであった。 夕食は裏の店でオムライス。 |
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所用で恵比寿へ来たので今噂のさぬきうどんを食べてみる。がっかりであった。それほど安いというわけでもないし、これより旨いうどんは今までだって東京にもずいぶんあったのではないだろうか。少なくとも実家の近くの手打ちうどん屋のほうが旨い。まあそのうち本場へ行くということで、その時に期待。 学芸大で降り、ルームサービスとモダニカを覗いてから乙ファニチャーへ寄る。ここは和モノのビンテージショップだが、どれも本当にリーズナブルな値段なので嬉しくなり、細かいモノを少し買う。 そのまま徒歩にて帰宅。 |
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装画の仕事で単行本の原稿を二本読む。 一つ目はイギリスのジュブナイル翻訳物。素直になれない中学生男女の物語。こう書くとつまらなそうで実も蓋もないが、なかなか面白く読み応えがあった。 二つ目はロシアの翻訳物。こちらはまた主人公が魅力的だし、画家である主人公の夫が制作している場面の描写はとても興味深く、楽しく読み終えた。 今日もまたカレーを作った。今回はチキンカレー。ゆで卵と豆腐を入れてみた。 |
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某雑誌より依頼された某ドロー系ソフトの試用に悪戦苦闘。 |
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先月は忙しくて仕事場に缶詰だったとは思ったが、交通費をチェックしたら実に一回しか電車に乗っていなかった。それも片道の150円。徒歩は結構あるのだが。 来年出す絵本の打ち合わせで渋谷のブルーオレンジスタジアムへ。面白いビジュアル本を数多くプロデュースしている事務所だ。中に入ると名前の通りブルーとオレンジのモノがたくさん。壁にはポストカードがびっしりと貼られていて、それぞれのカードの配色もブルーとオレンジのものばかり。 田中耕一さんに触発されて、ビックカメラでデジカメを購入。1センチまで寄れるマクロ撮影機能がついたリコーの新しい製品だ。これは主にカリフォルでの商品撮影用。これで小さい商品や細かい部分などもくっきり撮れるという寸法だ。 |
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散歩がてら道に迷いつつ、D&DEPARTMENTという店に行ってみた。デザインコンシャスなリサイクルショップとでもいうべきか。 建物が古くてなかなか良い雰囲気を醸し出している。ショップはかなりだだっ広い。商品陳列用のテーブルの脚が自転車のフレームで作られていたりして、これもリサイクルのうちだろうか。 他の店のロゴが入った商品、例えば山の上ホテルの灰皿やバワリーキッチンのティーカップなどを集めて売っているI LOVE IDENTITYというコーナーが面白かった。 私はというと「東京の仕事場」という本が目にとまったので、それを買って帰った。 絵本用油彩作品のスキャンデータを印刷所から受け取って、レイアウト作業。10号キャンバスがそのまま載る印刷所のフラットベッドスキャナでとったデータは、モニタで見るとあまりに精細すぎて逆に平板な気がしないでもない。 |
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今日の夕食はカレー。うちのカレー、作り方にはこれと言って決まったルールが無い。その日の気分で適当に作る。だからいつも味が違う。 よくやるのは豚の三枚肉をとろとろになるまで煮込んでカレーにするタイプ。今日もこれだった。絵を描きつつ、コンピュータの処理などを待っている間に下準備をして、また絵を描きつつ煮込む。 |
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レップに頼まれてカタログの表紙用に二色の絵を描いた。テーマは毎年「工場」と決まっているらしい。 フォーク・クルセダーズが再結成して新しくCDを出すらしい。「戦争と平和」というものだ。私はかなりフォークルが好きなので(特に加藤和彦)、買ってみるつもりだ。今回はしかも坂崎幸之助が参加するらしい。楽しみだ。 |
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オーダーメイド家具ショップ「セル」の新井夫妻と武蔵小山で待ち合わせ。ランチに甘味喫茶亀屋で餅入りラーメンを食べる。やさしく懐かしい味の醤油ラーメンだ。餅がスープに意外とよく合う。甘味喫茶なのにお客さんのほとんどはラーメンを食べている。 その後、サンマルクコーヒーにて田中耕一さんの話題で盛り上がる。 新井さんと一緒にカリフォルへ行き、カウンターの下に浅い棚を取り付ける。ここにポストカードを置くことに。もう少しポストカード自体の種類を増やさなければ。 |
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自由が丘の泰興楼という中華料理屋で夕食。ここのでかい餃子と牛バラご飯は月に一、二度は食べたくなる。たまには違うものを試そうと決めて行くが、いつも牛バラご飯を頼んでしまうのだ。BSE最盛期のときからこれだ。 |
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銀座で行列のできるラーメン店「影丸」というのが大岡山にできたというので見に行った。どうせ混んでいて入れないと思ったので、見に行くだけ。案の定、かなり行列が出来ている。オープン記念サービスで餃子無料チケットがついているから当然だ。 「むらもと」という別のラーメン店へ入った。ここも大岡山では旨いとされている店だ。何故か大岡山のラーメン店は、大盛りでもないのに麺が二玉入っているところが多い。その上に中盛りと大盛りもあるから恐ろしい。麺は多いのだが、ラーメンとトッピングの種類は少ない。むらもとはラーメンかチャーシューメンに、トッピングは生卵、ゆで卵、煮卵かホウレンソウだけだ。味はまあ、普通。私の場合、蕎麦やうどんと違って、ラーメンが感動的に旨いと思ったことはないので仕方ない。麺類はやはりスープより麺そのものが重要だと思うからだ。 今日はMIST(目黒通りインテリア祭)のおかげで、カリフォルにも普段より多くお客さんが来たらしい。 |
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今日の朝日新聞にまた田中耕一さんに関する記事「本当に普通の生活」。やはり凄いナァ。日頃から、いろいろな分野において有名人には本当に凄い人はあまり居ないんじゃないかと思っていたが、ますます確信する。 ある雑誌を見ていたら、マッカランというウイスキーの広告が載っていて、そこに描かれている樽と猫の絵に思わずひきこまれる。誰の絵か知らないけど、特に樽が秀逸だ。私の好きな絵の方向性に、色もマチエールもとても近くて、今日はデジタルで仕事をする予定だったが、油彩の仕事を始めてしまった。 ところで、この猫と樽の絵は、油彩かどうかわからないし、五つある樽が全部同じに見えるので、原画はあるにしろおそらくデジタル処理がされていると思う。樽を複製して背景が白の切り抜きにしてある感じだ。私もまたいろいろ実験してみたくなった。 先日カリフォルを訪ねてくださった山本重也さんが、写真入りで店を紹介してくださっている。どうもありがとうございます。私の外に対して遠慮がちな態度に、「絵を描ける人なんて世の中にそれほどいなんだから」という言葉が印象的だった。 今日はまた二本も無言でゴーヤが投げ込まれていたが、そのうちに炊き込みご飯(ゴーヤとは無関係)を作ります。 |
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イラストレーターの山本重也さんとカリフォルで待ち合わせ。妻と三人で目黒駅の居酒屋で飲む。 彼のサイトのプロフィールのページの顔写真の背景に写っている型板ガラスが前から気になっていたのだが、ご本人から話が聞けて興味深かった。この写真を撮った時に事務所として使っていたビルが、やはり古いもので大正時代に建てられたとのこと。憧れる。 彼のサイト、イラストレーションはもちろんのこと、趣味のスノーボードのページは写真を見るだけで空気が伝わってくる、そんな内容が盛りだくさんの楽しいところだ。 田中耕一さんのノーベル化学賞受賞について、「無名のサラリーマン研究者が」と驚きを持って報道されているが、アホか。本当に凄い人はそういう位置に多くいるに決まってる。プロジェクトX見てればわかるだろう(笑)。朝日新聞の対談を読むと、また言っていることが凄い。見習うべき人がたくさんいるはずだ。そういう意味で田中さんの受賞は、まれに見る爽快な出来事だ。 |
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ある犬系?の仕事をしていたら、昔変な俳句を作ったことを思い出した。 『獰猛俳句犬』(どうもうはいくけん) 黄落の坂登り来て人である 鼻濡れて硝子も濡れて秋思かな 燈火親し平安朝の眉であり 人連れた犬ばかり来る秋の暮 芋嵐歯茎吹かれて乾きけり エリザベスカラーの果の鰯雲 文化の日吾は獰猛俳句犬 鳥威鳴子案山子やおそろしき 花野行く枯野の色の犬なりき 二階より道行く猫を吠え下ろす こんなのだ。 私自身は、動物の中でも犬がとても好きだ。犬か猫かと聞かれれば、やっぱり犬だ。犬の何がいいのかよく考えてみると、目や表情などいろいろあるが、どうやら鼻ではないかと思う。あの犬らしく長い鼻が好きなのだ。多分、猫よりも犬が好きなのは、鼻のせいだし、犬の中では鼻の長くない種類にはそれほど惹かれない。そういう意味では、ポメラニアンやチンより馬のほうが好きだ。脈絡無いが。 |
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新・地底旅行、三十八回目の挿絵だけサインを入れるの忘れました。 ま、あまり気にしないですが。 FAXやスケッチや資料など紙が散乱して困るので、「とりあえず置き場」というのを作った。しかし、このとりあえず置き場もとりあえず置いてあるだけなので、結局どこに何があるのかわからない。 ま、自分の人生もとりあえずな感じだからナァ、いつまで経っても。 |
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隣の大家(ランドロード)さんの庭はかなり充実した家庭菜園である。 ときどきうちの郵便受けに無言でゴーヤが投げ込まれていることがあり、そういう日の晩はこちらの予定に関わらず、ゴーヤチャンプルーとなるのである。 今日はレモングラス、ルッコラ、蕗、ゴーヤ、蜜柑、唐辛子、パプリカなどを少しずついただいた。これらの他にも、キウイ、ワイルドストロベリー、月桂樹、ミョウガ、セージ、ローズマリー、山椒、バジルなどまだまだいろいろあるらしい。うちでは買ってきてすっかり枯らしてしまったトクサが、大家さんの庭では1.5メートルくらいに伸びている。 |
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このところのたまちゃん騒動で思い出したことがある。そういえば、確か数年前に大阪湾に野生のオットセイが出現したことがあったはずだ。 たまちゃん報道の過剰さはどうかと思ったが、あの動物の圧倒的なかわいさには素直に降参する。かわいいものはかわいいのだから仕方がない。私はかなりの動物好きだ。 そうそう、それでオットセイの話だが、日頃書きためている変なアイディア集の中に、新聞からのクリッピングもあるので確実だ。96年3月19日の朝日新聞からの記事だ。そこには、オットセイが突堤わきの岩に寝そべってあくびをしたり、ガーと声を出したりして集まった人たちに愛嬌をふりまき、警戒にあたったお巡りさんは立場が逆だったらいいのにと言ったと書いてある。 私は当時、この記事を読んでいろいろ空想した。オットセイグッズを作って売ったらどうだろうか、とは考えなかったが、他にも動物関係で面白い記事があるのではないかと気に留めて新聞をクリッピングしていた。そうしたら、線路に石を置くカラス、高速道路を走る馬、電車に乗り込んだ犬などとけっこうあった。 こういう断片を集めてまたいろいろ空想し、変なストーリーを書きためているのである。だからどうしたということはない。 |
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完成間近、絵本のためのキャンバス十数枚。乾かすのにだんだんと置く場所が無くなってきた。今日はミディアムを塗りたくったので、部屋に危険なにおいが充満している。テレピンのにおいは結構好きなほうだが、このリクインというミディアムはよろしくない。 絵の描き方は、ちなみにこんな具合だ。 まず細目のキャンバスにジェッソとモデリングペーストを混ぜたもので、下地を作り、簡単に鉛筆で下描きしてから、アクリル絵の具で大まかに色を付ける。乾いたら、油絵の具でバサバサと色をのせていく。この段階ではなるべく荒々しく、丁寧にならないほうが良い。明るい部分はガツンと厚めに塗っておく。ここまでをとりあえず下塗りとして乾燥させる。 乾いたら、一旦画面全体を黒い絵の具で真黒に塗りつぶし、自分の狙っている光の具合が現出するように黒い絵の具を拭き取っていく。 乾いたら、明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗くなるように絵の具をのせて行く。基本的に明るいところは不透明絵の具を盛り上げ、暗いところは透明な絵の具のレイヤーを重ねる感じだ。 こんなことを何回か繰り返す。途中何回も乾かすことを考えると、非常に時間がかかる。待っている間に別の絵を進めることになる。 |
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昼間仕事をしていると、訪問販売のセールスマンが来た。私は今まで聞いたことがなかったが、雑貨を売っているという。鞄の中から出したのはちょっとデザインコンシャスなふりをした中国製の電卓と、G-Shockのニセモノのような時計。これ2つ併せて1000円だが、要らないかという。要らない。電卓などは、よく見るとエッジラインがガタガタでいかにも安っぽい。 こういう安くて粗雑なものを目の当たりにすると、店をやっている立場としては、安易に新しいものを仕入れて売ることはできないなあといつも思う。食玩などのおまけも、いくら売れるからと言ってあんなにガンガン作って良いものだろうか。 自分の店は、大部分がリサイクル品なので、それほど世の中に新しいゴミを生み出していないと思うと安心する。しかし、だ。海外から輸入する際に使われる大量の梱包材、緩衝材が実は大変なことだ。段ボールはほとんど資源ゴミの日に出しているが、発砲スチロールなどはどうにもならない。そう考えると罪だ。これまで、どのくらい海外から不燃ゴミを輸入したことだろう。 それでなくとも、毎日紙やキャンバスや絵の具などを消費して、綺麗なゴミを生んでいる身としては立ち止まって考えざるを得ない。 |
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朝6時に起きて、まず朝刊を開き自分の絵を確認する。それから二、三回分ほどの新しい原稿に目を通し、だいたいのストーリーを頭に入れて散歩に出る。一時間弱、近所をうろついて帰り、シャワーを浴びて朝食、たいてい納豆。 散歩の間、うまい具合に挿絵のアイディアが浮かべばしめたものだ。一日で数点描けるときもあれば、一点も仕上がらないこともある。 午前中はメールの処理やディーラーとのやりとりで終わってしまうことが多い。 ロンドンのレップが作っている来年のカタログ用にいろいろ画像を準備して送らなくてはならない。デジタルで便利になったとはいえ、昔のデータを探してきて調整し、CDに焼くのは意外と面倒だ。 レップのすすめで、今年はWorkbookにも広告を載せることにした。日本だと、イラストレーションファイルの掲載料が三万円で高いという人もいるが、この手のアメリカのディレクトリーなどその10倍はかかる。一人で広告を出すと大変だが、レップは数十人のイラストレーターをまとめて、一度に数十ページを確保するので多少割安になる。それでも、カタログと併せれば相当な額になり、実は元が取れない可能性が無きにしも非ずだ。ちなみに、カタログは二年に一回で必須だが、その他のディレクトリに載せるかどうかはイラストレーターの自由だ。 レップというものはお金がかかる。 |
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表現の自由の中には、「別に表現しなくても良い」自由というのも含まれるのではないだろうか。多くの人がそれを満喫しているし、私もこの自由を行使してのんびりと生きているわけだ。 イラストレーションにしたって、表現しているという実感は特に無い。別に何かを表現したくて絵を描いているわけではなく、こんな色を塗ろうとか、あんな構図にしようとか、表面的なことを考えつつ、単純に描くことが楽しいから描いているだけだ。プラモデルを作るのに似ているな。 私がジャケットに汽車の絵を描いた、あなんじゅぱすのCDがもうすぐ出る。 ヴォーカルのひらたようこさんは、ICU生物科時代の同級生だ。劇団青年団の俳優でもあり、これからヨーロッパ公演に出発するとのこと。凄い。 |
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カリフォルのサイト更新が全然追いついていない。始めたからにはきちんとやらないと。まだ反映されてないが、とりあえずサイトに少しずつ手を加えて充実させるべく、毎日作業をしている。 カテゴリーを分類する段階で悩む。そもそも掴み所のない自己満足な店のため、自分でも何を売っているのかわからない。いや、売っている物はわかっているが、何の店かと聞かれると、いつも答えに窮する。基本的にはコンセプトなど何もない。強いていえば、自分のこだわりで選んだ、役に立たない物のリサイクルセレクトショップだろうか。これだけ聞くと、限りなくアホだ。 よく説明できない物を分類するのは難しい。結局、いくら考えても完全にスッキリ分類する方法など無いと割り切って、説明を充実させることにする。 店のカウンターの下にポストカード用の細い棚を、新井さんに頼んで作ってもらっている。棚の奥行きを50ミリにするか55ミリにするかでずいぶん悩む。ポストカードだけでなく、もしかしたら本も置けるように55ミリにしておく。 近いうちに、イラストレーター都築まゆ美さんのプリントゴッコによるオリジナル作品を販売する予定だ。彼女の作品は前から好きだったのでお願いした。はっきり言ってお買い得だと思う。 ある商品を仕入れたくていろいろ調べる。私は全くの素人なので、商売に関してはわからないことだらけだ。仕入れたくてもどこが卸してくれるのかわからずに、さんざん調べる。やっとつきとめて電話する。担当の人と話すが、どこにでも卸してくれるとは限らないだろう。 |
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形態模写をする芸人を見て、人を楽しませたり、自分が楽しんだり、良い仕事をしたりするのに重要な力は観察力だと思った。良く見てるなあ、という感慨を持つことはそれだけで貴重な体験のような気がする。 私には観察力も想像力も全然足りないのではないかとよく疑う。特に想像力のほうが心配だ。もっとこれがあって、人の気持ちが想像できれば、少しはましな存在になれるのに。 |
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絵を描くことの楽しみは、もちろん完成したときの満足感ということも少なからずあるけれど、本質的にはやはり描いている過程、制作している途中にあると思う。完成した絵を誰かに見せたい、発表したいという欲求が自分にあまりないのは、そのせいかもしれない。 完成してしまえば、もうそれでその絵のことは忘れて、次の絵のことを考え始める。 ところで、「クリエイター」という言葉はどうも嫌いだ。私自身は、イラストレーターであり、筆で絵の具をなすりつけて絵を描く、という行為を表すものとしてペインターでもあるが、クリエイターではない気がする。特になにも「クリエイト」しているつもりは無いし、神じゃないんだから。 アートディレクションなどを指して「クリエイティブ」ということに対しては別段違和感は無い。しかし、これが何とかクリエイターだともうダメだ。嫌いである、その言葉が。形容詞なら良くて名詞だとダメなのだろうか。かなり感覚的な問題のような気がするが、自分で「クリエイター」という言葉を発することはまず無い。 そういえば、「イラスト」という言葉も嫌いだ。自分ではできる限り使わないようにしている。なるべく「イラストレーション」と言うようにしているのだ。それは何故か。「イラスト」という言葉が連想させる一般的なイメージが貧困だからだ。「イラスト」と聞いて人が思い浮かべるイメージというのは、かなり類型的なものが多いのではないだろうか。 とまあ、あれこれ理由を語ってみるが、「イラスト」に限らず、略語が嫌いなことは間違いない。せめて「イラストレ」くらいならまだ許せる(本当か)。それにしても「イラレ」はないでしょう。 ちなみにアメリカでもやはり略語はあって、ただ、illustrationをillustとは言わない。illustrationはillo、illustratorはillerのようだ。もしかすると、口語的な書き言葉だけのことかもしれないが。 |
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今まで自分で日記をつけてはいたが、公開するというのはとても恥ずかしいことだ。前に何回かこのようなものをサイトに載せたことがあったけど、何度読みかえしてもあまりに恥ずかしいから、結局すぐやめていた。 人は頼まれもしないのに、何故こういう日記のようなものを書いて公開するのだろうか。みんな恥ずかしくないのだろうか。だって、自分がどんなに底が浅く、変な人間かバレてしまうではないか。 絵を発表しているだけでも恥ずかしいが、こちらは仕事だから慣れてしまったし、一度自分の手を離れてしまえば、ほとんどフィードバックも無いので羞恥心はそれほどでもない。 ではまた何でこんなことやっているかというと、もう少し厚顔無恥さを養うためだ。目指すは鉄面皮だ。私はどうも自分のことを言わなすぎるようなので、日記でも公開して訓練するのだ。いやー、恥ずかしいなー。 |