目印通信
2002 | 2003 | 2004

2003.12.30
 食べない自由は当然あっていいわけだが、アメリカ産牛肉の輸入禁止は困る。吉野屋が牛丼売らなくなったらどうする。松屋へ行けばいいのか?
2003.12.28
 今年はだいぶ忙しい年であったが、そのおかげか腱鞘炎と頭痛に悩まされた年でもあった。腱鞘炎のほうはだいぶ良くなったのだが、頭痛はまだまだ続く。症状から考えるに、これは偏頭痛ではなく、肩こりから来るような気がする。明らかに運動不足のせいもあるだろうなあ。

 狂牛病だ。アメリカで狂牛病の牛が発見されて、日本では輸入を禁止したり、牛肉を食べるのを止めたりする人が続出しているが、今まで知らなかっただけでもう食べてるって。前からアメリカの牧場主がベジタリアンになったりしているのだから、知っている人から見れば、牛肉はもうずっと危険だったわけだ。
 牛肉を止める人、それより他にもっと身体に良くないことで、止めるべきことがたくさんあるだろう。私もそう言って、前回の狂牛病騒ぎのときに煙草を止めた。もしくは、別に煙草に限ったことではないが、他に危険なことをやっているわけだから、牛肉くらいなんてことないだろうとも言える。むやみに牛肉を止めるから、豚肉が値上がりしたり、焼肉屋が潰れたりするわけだ。
 私は牛肉止めないけど。焼肉を食べに行って応援しないと。別にホルモンを食わなけりゃいいわけだし。いやー、ホルモンも食べちゃうな、きっと。最初の狂牛病騒ぎの直前などは、一番危険な脊髄も食べてたから。この間も、旨い旨いと言ってホルモン焼き食べちゃったしなあ。もう遅いだろ。

 今年はもう〆切がないのだが、何故か年明け〆切の仕事が重なっているため、全然仕事納めにならない。30、31日あたりでかなり進めておかないと、正月にのんびりできない。年賀状もまだ何もやってないし。

 それではみなさん、良いお年を。
2003.12.19
 最終日ということで日比谷シャンテにて『ポロック』を見る。かなりわかりやすい映画だったが本当かなあという感じ。デ・クーニングの有名な言葉など史実に基づいて、おさえるべきところはちゃんとおさえられていたようであるが。まあ当然か。しかし、エド・ハリスはなかなかよい雰囲気を醸し出していた。ポロックに結構似ているのでは?
 絵の中にイメージが入り込もうとするのを避けて、絵の具は絵の具のままで、キャンバスはキャンバスのままで、というのが興味深かった。ドリップ・ペインティングは結構好きだ。エド・ハリスでも誰でも描けるところがいいな。
 モダンアートにしてもモダンジャズにしても、まだ誰もやっていないことがたくさんあった時代、ほんとうに新しいことが出来た時代というのは面白かったのだろうなあ。
2003.12.04
 西さんのお誘いで懐かしの武蔵境へ。学生時代に通っていた時とは駅周辺もがらりと変わっており、北口にスウィングビルなるものが出来ている。その中の市民ホールにて、ダスコ・ゴイコビッチのライブを聴く。定員180人のこぢんまりとしたホールで、このくらい近くで静かに聴けるとなかなか楽しい。途中に15分の休憩があり、ビールが皆に一杯ずつサービスされるというのも珍しい。久しぶりのジャズライブ。
 そのあとは、これまた懐かしの四川料理好好(ハオハオ)へ。麻婆豆腐は極めて辛かったが、相変わらずどの料理も旨い。老酒の熱燗と。

 新しい絵本『犬は人が好き。』の見本が出来上がってきた。人生のところどころに節目となるような、重要な出会いというものが誰にもあると思うのだが、私にとって作者である石黒さんとの出会いは、確実にそのうちの一つであるような気がする。
2003.12.03
 カリフォルが二周年。そこで全品20%オフセール。詳しくはこちら
2003.11.30
 仕事をしていれば、自分はこんな絵でいいのか!?こんなはずじゃなかった!またやってしまった!!またひとつつまらない絵を描いてしまった!!!このままじゃいかん!!!!変わらなければ!!!!!なんてことが10回に8回はあるな。その度に悩み、苦しみ、自信をなくし、違う画材などをひっぱり出してきてのたうちまわるのである。
 まあいちおうプロであるから、仕事のレベルとしてはクリアしていると思うのだが、どうにも絵が気に入らないなんてことはザラだ。ある時などは、絵なんていうものは所詮平面だからダメなんだ、絵はいくらうまく描いても絵でしかない。やはり立体を創らないと、というところまで飛躍したこともある(仕事とは別にして立体は興味深いけど)。
 これはしかし、自分のせいとばかりも言えず、実はテーマに引きずられて結果的にそんな(どんな?)絵を描いてしまうこともある。どんな仕事も、引き受けたからには何かそこに楽しさを発見してうまく切り抜けようとはするのだが、引き受けたこと自体を後悔することだってなきにしもあらず。
 しかし仕事とはそういうもの。何かひとつでも自分なりの発見があればよしとして、次の絵こそはと、気持ちを切り替えるしかない。
 自分の絵を見て人が楽しめるか、というのは別問題だけど、それについてはほとんど意識したことがない。
2003.11.28
 I'm homeという雑誌をパラパラ見ていたら、あるフロアランプに眼がとまった。非常に気になる。調べてみるとDavid Weeks Lightingというところの、Tripod No.303というアームと脚が三本あるフロアランプだった。フレンチモダンを彷彿させるデザインがとても格好良く、欲しいんだけど確か値段は25万とか書いてあったような・・・。写真だけだからよくわからないが、スウィーブルジョイントの部分がかなり良さそうではないか?しかしこの値段ならば、イデーで売っているムイユのレプリカのほうがいいか。

 たのんでいたキーホルダーラックがやっと来た。アクリルを曲げてから木と組み合わせて、スタンドになるように自分でデザインしたものだ。早速キーホルダーを掛けて店に置いた。

 妻と自分のちょい乗り用に折り畳み自転車を注文した。
 どれにしようかと随分迷ったが、結局デザインと値段と軽さでミヤタのクリックフォールディング・ライト1というのにした。限りなくマイナーそうなところもよい。
 ところが、いざ注文しようとすると、シルバーはあるが赤が無いという。何カ所かにあたってみたがみな在庫切れらしい。限りなくマイナーそうに見えてこれはどうだ?限定生産だからメーカーももう創らないという話を聞いたが、なんとか最後の数台に間に合って無事注文できた。届くまでにしばらくかかるらしい。輪行して鄙びた温泉を巡るというのも楽しそうだ。
2003.11.22
 ORCA二十周年記念パーティで友人宅へ行き、昼間から食べて飲む。ちなみにORCAというのは大学時代に所属していたスキューバダイビングのサークルである。当時、練習には全然まじめに出ていなかったけど、海に潜る時はそれなりに参加していたものだ。

 Tシャツを試作してみた。ちょっと間抜けな感じが逆にいいかも?
2003.11.19
 青山ブックセンターにて大橋歩表紙集を買う。なんか凄くアメリカな感じでかっこいいなあ。こんな仕事ができたら面白いと思うけど、専属契約というのは意外であった。それも広告の仕事がたくさん来たりして絵が荒れないように、編集局長が窓口になって他の仕事を全部断っていたというのも興味深い。メディアがイラストレーターを育てる、そういう時代だったのだなあ。

 久しぶりに仕事場の近くの蕎麦屋で昼食。手打ちで今は新蕎麦、かなり旨いのだけど、普段の昼食としてはちょっと高い。はなまるうどんが近くにあったら毎日行くんだけどなあ。蕎麦は高いけどうどんは安い。自由が丘にはなまるうどんを!
2003.11.18
 犬の絵本、データは全部渡したと思っていたら、表紙の分だけ忘れていた。間抜けである。

 『新・地底旅行』の単行本化にあたって、装丁家が世界観を変えたいという理由で私の絵は使われないことになった。それで今日ある会ギで、ささめやゆきさんから彼のところに装画の依頼があったということをお聞きした。中に挿絵は入らないらしいが、カバーはどんなふうだろうか。まあ、ささめやさんだから良いモノができるとは思うが、私は彼の作品、特に色遣いは大好きなので、実は世界観も意外と近いのでは?
 井筒さんとお茶を飲んでからトボトボと帰る。
2003.11.13
 始めてから随分時間がかかっていた犬の絵本、やっと全部完成し、あとは色校を待つのみ。だいぶ変更があったので、数ヶ月前にとった分はまぼろしの色校になってしまった。

 石黒さんと渋谷で飲む。ホルモン焼きの『ゆうじ』にて。旨い。石黒さんとは話すほどに趣味が合うので盛り上がった。自分としては久しぶりにかなり飲んだほう。二日酔い間違いなし。

 捨てる神あれば拾う神あり、いろいろと。そんなこと。
2003.11.05
 デジタルプリントの販売を始めてみた。実はかなり昔から準備していたが随分時間がかかってしまった。ポストカードや原画販売のページも作る気だけはあるのだけど・・・。

 先日、仕事場に遊びに来た伊藤君から、 嬉しいことにMark Englishの画集をいただいた。Mark Englishは私の最も好きなイラストレーターの一人(もうイラストレーションは描かないのかもしれないが)で、当然ながらその作品はとてもカッコイイ。
 こう、二次元の形を追求して、あまり陰影をつけたモデリングをしない画風はアメリカでも珍しいのではないだろうか。この辺の感覚は、Diebenkornの作品に通じるところがあり、私も数年前からだいぶ影響を受けている。
2003.10.26
 サイトをシンプルにリニューアルした。また少しずつ作品を追加する予定。
2003.10.18
 ペインティング、ペインティング、ペインティング。

 ところで、The New Yorkerのイラストレーションは、ぎりぎりのところでボツになった。アメリカではよくあることなので、驚いてはいないがちょっとがっかり。アートディレクターがオーケーしても編集長の最終判断でボツにされること多し。日本だったらスペースが空いてしまうし、あまりこういうことは無いのだが、こんな小さいカットの扱いにもそれだけ命をかけているということか。それでアメリカのイラストレーション年鑑にはunpublishedのカテゴリーがあるわけだ。
 ボツになったので公開。けっこう気合い入れて描いたんだけどな。

 アメリカのレップってイラストレーターの入れ替わりがかなり激しいが、Richard Solomonのところは非常に安定しているみたいだなあ。流石にトップイラストレーター勢揃いだけある。思い立って検索してみたら、サイトが出来ていた。
 私が多大な影響を受けたJohn Collierの絵も見られる。リアリズムなんだけど、ただリアルなだけではない何かがあるところが凄い。特にカーテンの絵がとても美しい。あと、個人的にはAndrea Venturaの作品が好きだ。
2003.10.14
 この連休は仕事場に籠もりきりでかなり消耗した。
 休み明けまでに仕上げるべき油彩やラフが数点あるほかに、The New Yorkerでの初仕事。いつもこんな具合らしいが、木曜日に依頼があって金曜日にラフ、月曜日にファイナルというスケジュールだ。時差においては、日本のほうが早い分余裕があって楽かと思いきや、相手の朝にあわせてこちらが夜出したメールは、それから数回やりとりをすると、徹夜に近い状態になってしまう。
 さて、仕事の内容であるが、近日公開する映画をアナウンスするページのイラストレーションだ。コロンバイン・ハイスクールの銃乱射事件をもとにしたElephantという映画。アメリカのエディトリアルということだけあって、当然コンセプチュアルな作品を求められるわけで、例によってラフは全部で15点ばかり作った。ファイナルを提出しても、一度で通ることはまず無いし、厳しいなあ。
2003.10.09
 どうやら私にとっては、ペンタブレットが腱鞘炎に悪いようだ。海外に行ってしばらく手を使っていなかったので、一瞬治ったかと思ったが、また手首と親指の付け根が痛い。キャンバスに油彩で描いている時は大丈夫なので、やはりタブレットの使い方が悪いのか。なんかあのペンももう少し握る部分が太ければいいのにと思う。気が付くとつい余計な力が入っている。
 ちなみに油彩はかなりの割合をペインティングナイフで描いている。これの良いところは筆を洗わなくていいところ。ちり紙でさっと拭き取れば次の色を使えるので、とても気に入っている。うまくコントロールが出来ないところも良い。
2003.10.06
 あるファッション系イラストレーションの仕事がキャンセルになった。これは結構楽しみにしていたので残念である。

 ある仕事のために、細長い変型キャンバスを張る。縦横の比が1対3くらいの横長キャンバスだ。当然風景を描く。何故か最近油彩が多い。

 ある雑誌の編集長が教えてくれた情報によると、東京国際フォーラムの「人体の不思議展」が凄いらしい。これは見に行かなくては。人体解剖標本が、弾力性に富み、じかに触れて観察できるとある。どんなだ?
2003.09.25-2003.09.30
 パリ。ロンドンもそうだが、街を歩いているといかに日本には「イラスト」が氾濫しているかわかる。だいたいにしてパリやロンドンでは、広告自体あまり目に付かない。パリの地下鉄車両には広告が一枚も無い。イラストで食べていける率では日本が世界一だろう。
 パリはこぢんまりとしていて、歩いて全部見られそうな街だが、ランドマーク周辺の空間の在り方には目を見はる。シャンゼリゼにしてもアンバリッドにしても、感動的な広さだ。教会の天井も恐ろしく高い。美術史で習ったゴシック建築の代表作であるノートルダム寺院、その飛び梁の実物を見られて非常に興味深かった。
 今回の収穫はたまたま通りかかったグラン・パレでやっていたVuillard展。日本には来そうにもないけど。これだけ大規模な展示を見るのは初めてである。本物はアメリカで数点見たことがあるだけだ。それから、ポンピドゥーセンターのJean Cocteau展か。実は常設展示にもインスパイアされたもの多し。Brancusiのアトリエというのを見忘れたのが惜しい。
 La Coupoleというブラッスリー、こういう場所も天井が無駄に高くて体育館のように広いのだが、料理の量も凄くて、生牡蠣24個とロブスター1匹と蟹1匹とムール貝とエビと蛤とつぶ貝それぞれ数個などがたらいのような入れ物に入ったディナーセットにはたまげた。
2003.09.21-2003.09.25
 ロンドン。泊まったホテルはLondontown.comで探した67%オフのところ。ロンドンのことならLondontown.comはとても便利でお奨め。
 
初めてレップと会う。住所のストリート名がごく小さい通りの名前だったので、流石のブラックキャブも知らず。四台目のキャブに地図を調べてもらってやっと辿り着く。
 レップの事務所があるギャラリーではChristian Birminghamの絵本原画展を準備しており、Christian自身もそこにいた。彼と会うのも初めてだ。それにしても彼の原画は驚くべき細かさでもって正確に描かれており、これがパステルかと思うと気が遠くなりそうだ。一枚描くのに三週間はかかるとのこと。
 皆で近くの地中海レストランへ行き、夕食を食べる。イギリスの食事は不味いと言われてるが、私は全然オーケー。特に不味いとは思わなかった。
 ロンドン滞在中、パブに行きまくる。食事もほとんどパブ。あの気軽さが好きだ。ビールは確かに安いが、それにしてもイギリス人は何も食べずにひたすらビールを飲んでいる。
2003.09.19
 久しぶりに自分としてはかなり描き込んだ油彩作品を制作。時間が無く、絵の具が乾いていない。梱包するのが難しいので、出版社の人にタクシーで持って帰ってもらう。しかし、油彩というのは描き込むには本当に持ってこいの画材であるという認識を新たにした。時間さえあればだが。あまり描き込まないウエット・オン・ウエットのような画法も、それはそれでとても面白い。

 打ち合わせでいろいろ興味深い話を聞かせて貰ったのだが、某雑誌の編集長は、カトリックの巡礼地巡りという不思議な趣味を持った人であった。宗教としてではなく、あくまで趣味というのが面白い。
 
 以下、人生箇条書き。
 最近、細かい用事で武蔵小山へ行くことが多い。小さい町工場が多いところだ。
 やっと目黒のイロッタというイタリア料理屋でピザを食べることができた。
 天狗でウコンハイを飲んだ。
 もしかすると初めてレップに会うかもしれない。
 仕事場にやっと椅子が四脚揃った。紆余曲折あって9ヶ月もかかった。
 仕事場にパノラミカというケースが入った。これもずいぶん待った。
 アメリカではEric WhiteやJoe SorrenやThe Clayton Brothersらの画集が次々と発行されているらしい。
2003.08.29
 ゴルフのラフにオーケーが出る。結局全部で10点ラフを作った。あまり意図のわからない直し、本当にこんなディレクションは必要なのか?ラフを見たら、とりあえず何か言わないといけないと思っているのではないだろうか。
2003.08.28
 野暮用で碑文谷へ行った帰り、全く予定外の成り行きにより武蔵小山で飲む。12時近くになって頭が痛くなってきたが、仕事場でゴルフの修正ラフを作ってメール。アメリカだと時差があるからややこしい。
 お酒を飲むとその日に頭痛がしてくるのは、やはり肝臓が弱いのだろうか。朝起きると治っていることが多いので、二日酔いにならずに済むのは幸いだが。もっとも量は全然多く飲んでいないのだ。
2003.08.27
 『シネマ古今東西』のレイトタイムサロンに行く。終わってからは先輩方と飲み会。私が最年少。私は犬見知りは全然しないのだが、人見知りは激しい。どうなることかと思ったが、意外と面白かったので時間があれば10日も行こうかな。
2003.08.22
 久しぶりに油彩の仕事でキャンバスに向かう。しかし、黒い絵の具が全然乾かなくて困る。ついでに紙粘土などを取り出して、フィギュアのリペアなどもしてみる。
 久しぶりにアメリカの仕事。Travel & Leisureという雑誌に四分の一ページくらいのサイズでイラストレーションを描く。内容はゴルフの話で、グレッグ・ノーマンとか鮫とかワインとか。私はゴルフについてあまり詳しくないし、やったこともないので、原稿を読んでも一回目は何が書かれているのかさっぱりわからなくて青ざめる。ところが二回目を読み始めると意外とすんなり入ってくる。不思議なものであるが、しかし英語は恐い。ラフを四種類ばかり作ってメール。アメリカの仕事はどんなに小さくても、ディレクションが厳しいから、いろいろと直しを覚悟しないといけない。初めての相手だと特に求められているものをちゃんと出せているか凄く不安だ。
2003.08.19
 仕事場の壁に棚を設置した。一方はカリフォルの床に使ったフローリング材の余りなのでよいが、もう一方はウオルナットなのが綺麗すぎて勿体ない。
 昼は新井さんと近くの中華屋でレバニラ炒め定食。夜は近くの飲み屋で銀だらの煮付け定食。飲み屋のくせに定食を食べに来る客がやたらと多い。実際、ここの魚は刺身でも何でもかなり旨い。

 腱鞘炎はまだ治らない。
2003.08.18
 最近のこと。
 森さんイラストレーターズ通信に参加。台風の日、森さんの家に集まってみんなで袋詰め作業をした。ほとんど初めて会う人たちばかりであったが、なかなか楽しかった。
 久しぶりにカリフォルの店番。閉店後、新井さんたちと目黒の天狗で飲む。
 仕事場にてふたたび新井さんたちとカレー大会。大会のはずだったが、参加カレーはうちの(豚バラトマトカレー)と新井さんの(チキンコンビーフカレー)と二種類だけ。
 カリフォルのリニューアル作業。店の掃除をして新商品を並べたり、新しく什器を考えたり。疲れる。
 仕事場のマックがどうにも調子が悪い。画面が時々映らなくなるので、アップルにDVI to ADC Adopterというのを交換してもらったが治らず。自分でビデオカードを交換して問題の一部は解決したが、他にも一日中あれこれやって仕事にならない。
 今日は、そういえば『シネマ古今東西』のオープニングだった。行っていない。
 装画のために内田康夫『箸墓幻想』、フィリップ・プルマン『黄金の羅針盤』を読んでいる。けっこう長い。
 何を描くべきか、アイディアが出ずに苦しむ。
 うまい蕎麦が食べたいなあ。
2003.07.15
 そういえば昔、マクドナルドのドライブスルーでハンバーガーを4つ買って帰り、家に着いて開けてみたら、4つとも肉が入っていなかったというのは妻の話だ。確か私もその場に居合わせたような気がする。交換して貰うためにわざわざまた店まで行くというのも全く腹立たしい。

 恐いと言いつつもまた営業で渋谷へ行ったならば、週刊ポストに書いてあったとおりに、本当に幸楽苑と日高屋という二軒が390円ラーメンバトルをしていたので、とりあえず幸楽苑のほうへ入ってみる。中華ソバを食べる。普通にうまい。390円の価値はありそうだった。麺がもっと固ければいいんだけど。

 久しぶりでナンバーにイラストレーションを描いた。次号に載る予定。ジャイアンツの話題だ。
2003.07.13
 よく昼にラーメン屋へ行くと、ランチタイムでご飯をサービスしていますがいかがですか、などと店員が親切そうに笑顔で言う。私はとりあえず、下さいと言ってみるのだが、今までご飯を貰えた試しがない。ある時などは、玉子のトッピングを頼んだのにもかかわらず、これも貰えなかった。しまいには麺が入っていないなんてこともある。流石にこの時は泣き寝入りしている場合ではなく、麺が入っていないんですけど、などと弱気な声を出して主張してみる。回転寿司の注文はなかなか聞いて貰えないし、きっと存在感が薄いのだろう。
 生きていくのはなかなかに辛いものだ。
 存在感が薄いと思いきや、変な宗教の勧誘やキャッチセールスやデパートの宝石店の姉ちゃんやアダルトビデオのスカウトのやつらにはよく発見されて、侮辱される。
 また、人混みや大きいパーティなどに行くと、自意識が過剰になりすぎて、自分が存在していることが奇妙に思えて仕方がない。渋谷は恐い。

 自意識過剰な割には誰にも相手にされないので、久しぶりに営業を開始する。
2003.06.26
 『新・地底旅行』の挿絵を全て描き終えた。
 自分の力の無さにいろいろ悩んだこともあったが、とりあえず、無事にやり遂げることができてホッとしている。
 これらの絵は、ほとんどモノクロで印刷されるのが普通であったが、たまにカラーが入るため、実は全ての作品について、カラー版とモノクロ版を制作した。カラーで綺麗に見えてもモノクロだとコントラスト不足ということは多いので、モノクロにする際には一色ずつ濃度を調整している。せっかくカラー版があるので、他に発表する機会も無さそうだし、近いうちにこのサイトに全294点を載せようかと思っている。

 学研よりPOOKA3号発売。私が担当したのは『銀河鉄道の夜』のイラストレーション。この雑誌の貴重なフライヤーをいただいたので、早速カリフォルに置いた。
2003.06.13
 うっ、とまた真面目に絵を描きすぎて気持ち悪くなりそうだったので、散歩に出る。黒柴やらウエルシュコーギーやらダックスフントやらと目が合う。目が合うからお互いすれ違っても振り返りつつ、目を合わせたままでしばらく歩く。
 しかしモニタの見過ぎで激しく目が痛い。夜中にあまり目が痛いので失明するかと思った。昼過ぎにはある程度恢復していたのだが、もうそれほど若くないので、一晩寝たくらいでは頭痛も治らなくなってしまった。学生時代などは、どんなに頭痛がしても朝起きたら治っていたものだが。だいたい、朝から頭痛なんてことはあり得なかったのに。
2003.06.12
 うっ。真面目に絵を描きすぎて気持ち悪くなった。こんなに時間をかけちゃあいけないなあ。
2003.06.11
 ラーメン屋で、注文したラーメンが来ると、味見もせずにやたらと胡椒を振りかける人を見かけるが、食ってみて判断してからにしろよなあ。胡椒ラーメン(以前あるところで食べたことがある)だったらどうするんだろう。
 たとえば、胡椒度というものがあるとして、ラーメン屋Aのラーメンは胡椒度1だとする。胡椒度は高くなるほど辛いということにして、ラーメン屋Bのラーメンは胡椒度3。
 さて、ラーメン屋Aに上記の人が来てラーメンを注文し、胡椒を振りかけて胡椒度3にして食べたとする。次にこの人がラーメン屋Bに行って、ラーメンを注文する。ここのラーメンはすでに胡椒度3だ。ということはこれ以上胡椒を振りかける必要が無いはずなのだが、この人はやはり胡椒を振りかけ、胡椒度5にしてしまうわけだ。
 つまりこの人にとって、ラーメンにどのくらい胡椒が入っているかは重要でなく、ラーメンという食べ物が手許に来たら、とりあえず胡椒を振っておく、儀式のようなものなのだろう。すでに条件反射の域かもしれないな。
 とにかく、ラーメンに限らず自分の舌(感性)で判断してからにして欲しいものである。固定概念は横に置いといて、まずはありのままを味わってから、だ。
 とは言うものの、実はうどんが来たらすぐ七味唐辛子を入れるのと同じことか?牛丼に紅生姜、餃子にラー油、刺身に醤油と同じか?ちょっと違う気がするが。
 新井製菓の黒胡椒せんべいは病みつきになるけどね。

 ヒラリー・クリントン初版百万部って恐ろしいなあ。これですぐ増刷になったらさらに怖い。
2003.06.07
 駒場アゴラ劇場にて『夜の江ノ電』。

 そういえば全然興味の無かった『マトリックス』だったが、何気なくテレビでやっているのを見たら、意外と面白かった。現実に戻る時に電話を使うというのが間抜けな感じだが。しかし、そうなると『リローデッド』もそれなりに面白いのだろうか。
2003.06.03
 駒場アゴラ劇場にて『見えない木』。面白かった。『東府中の踏切で』やっぱり最高。
2003.05.22
 『まぼろしの忍者』のお祝いで赤坂東急のNINJAに行く。忍者料理は多国籍料理でなかなか旨かったが、店の中はまっ暗だった。一人では逃げ出せないだろう。

 24日の朝8時半よりFM東京でカリフォルのインタビューが放送される予定だそうです。

 今年も塩らっきょうを漬けた。
2003.05.17
 今週の出来事。
 稲垣吾郎主演の『謎の下宿人』を見る。わかりやすいコメディであったが、三時間は永かったナァ。

 装画を描いた『まぼろしの忍者』という小説が児童文芸家協会賞を受賞したというので、授賞式に呼ばれて行く。周りはほとんど知らない人ばかりで、いつものことだが私は食べるしか能がない。
 この賞は、作者の広瀬さんが受賞されたのであって、私が受賞したわけではないので、誤解無きよう。私はただ装画を描いただけ。

 ずいぶん前から井筒啓之氏に私淑していたのであるが、今回直接お会いして飲む機会を得た。あるとき井筒さんからいただいたメールがきっかけで、思い切ってお誘いしたわけだが、朝日新聞の朝刊夕刊コンビでたまに飲むのも良いとおっしゃっていた。私はうかがいたいことがたくさんあって、あっという間に時間が過ぎた。お奨めの青山の料理屋にて、業界の裏話をいろいろ教えてただいたり、井筒さんの謎が明かされたりして(ここでは詳しく書けないが、けっこう意外なことが多かった)とても楽しいひとときであった。
2003.05.03
 夜遅く急に店へ行くことになり、帰りにベルエア38カフェに寄る。凄く久しぶりだった。12時近くというのにベルエアは相変わらず混んでいた。歩いて帰る。
2003.05.02
 全然更新しないままもうゴールデンウィーク。
 手首は痛いし、毎日頭痛が続くし、なんだか永い間背中も痛いしで、こうなったら犬でもさわるしかないだろうということで、先日いぬたまというところへ行ってみた。しかしあれは入場料を払って犬をさわりに来た大勢の大人や子供を見に行くようなもので、実は入口の手前にあるペットショップで柴犬などを触るのが一番空いていて良い。私のような気の弱い者は、自分の犬でもなければ、あのような場所で子供たちに独占されている犬をさわりに行くのは難しい。
 とりあえず今気に入っている犬はやはり柴犬とレトーリーバーとボーダーコリー。チワワが人気らしいけど、あれは犬とは違う動物のような気がして。犬ではなくてチワワという動物でしょう。ちょうどジローのラーメンがラーメンではなくてジローという食べ物であるみたいに。

 謎の下宿人という芝居のポスターやパンフレットの絵を描いたので、近いうちに観劇する予定。小学校の学芸会以来、芝居というものはほとんど見たことがないので新鮮かもしれない。

2003.04.07
 腱鞘炎ますます酷く、思うように絵が描けない。

 同業者の服部さんがバイクに乗って仕事場にやってきたので、デジタルプリント販売の可能性を探る。カリフォルでも販売はしているのだが、とりあえず絵に興味あるお客さんは極めて少ないようだ。世の中そんなもんか。都築さんの作品など、自分でも買っているくらい良いと思うのだが。

2003.04.01
 シゲさんを誘って(誘われて?)千駄ヶ谷のギャラリーにフジモトヒデト氏の個展を訪ねる。自分も似たようなことをしているので何だが、彼の絵はてっきりアナログだと思っていた。あれがデジタルというのも驚きだ。あのペイントが剥げた感じはとても面白いと思った。
2003.03.28
 絵本の打ち合わせで移転して新しくなったブルーオレンジスタジアムへ行く。新事務所も相変わらずブルーとオレンジだらけであらためて驚く。出されたスリッパがブルーとオレンジ一足ずつのペアなのが凄い。
 東急ハンズに寄って細かい材料などを買ってから帰る。途中、東横線に乗っていたら、車掌さんがアナウンスの最後に「GOOD LUCK!」と言っていた。

 夕方、同業者のシゲさんと飲む。

2003.03.18
 光瀬直毅氏の新作アニメーション『ADIEU』が美しい。これだけシンプルに描写された風景からであるが、とてもロサンジェルスを感じる。あの乾いた感じ、懐かしい。
2003.03.17
 雑用が多くて死にそう。

 一ヶ月も経たないうちに『蟹塚縁起』がいきなり重版。初版8000部が全部売れたわけでは全然ないと思うが、とりあえず倉庫に在庫が無くなったらしい。
 それに比べて初版3500部の『氷河ねずみの毛皮』は全然売り切れないまま、増刷の見込みもなく、お蔵入りになろうとしている。今時、どこの本屋でも取り寄せてもらうのさえ難しいという状況だ。仕方がないので、自分で50冊ばかり注文して、カリフォルに置いてみた。
 サインを入れて定価1350円で販売してます。送料がかかってしまうのですが、もし買ってくださるという方がいらしたら、info@califor.comまでお問い合せください。

 夕方、広尾の会社に原画を届けた後、南青山画廊の佐々木悟郎展へ。彼のエッセイ集『LA』の文庫本化記念らしい。おなじみの水彩画と、今回は新作の箱モノ(平面や立体のコラージュが箱に入っている作品)が展示されていた。悟郎さんのスケッチブックも手にとって見ることができるようになっていて興味深い。

2003.03.14
 最近、何故か油彩の仕事が多い。極めて時間が無い中で、塗り重ねるのに乾くのを待つ時間がもどかしい。仕上げても〆切までに乾くのか心配である。

 朝6時に起きて仕事場へ来て、夜12時くらいまで籠もるというペースが続いている。土日も同じ調子で仕事をしているが、全然追いつかない。仕事以外でいろいろやりたいことがあるのだが、今のところ時間が足りない。

2003.03.04
 昨日ついに今頃になってISDNからADSLモアに変更した。これは確かに比べモノにならないくらい速い。別世界という感じ。
2003.02.21
 いつもの蕎麦屋でいつものAランチを友だちと食べていたら、チワワの話になった。そしたら彼が「アイフルも可愛そうだ。一生懸命自分の会社の宣伝したらペット屋が儲かっちゃって。ペット屋は宣伝費ただだし」と言っていた。私はへえ、言われてみればそうだなあと思った。目黒のチワワ屋は確かに凄いらしい。
2003.02.20
 理論社のKさんが絵本『蟹塚縁起』の見本を持ってみえる。そろそろ発売であるなあ。

 夕方、朝日新聞の西さんと自由が丘の焼き肉屋へ。リブロースというものがとろけて非常に美味かった。あと私が好きなのはミノ塩とセンマイ焼きにレバ刺し。

2003.02.18
 イラストレーターのシゲさんともんじゃ焼きを食べる。学生時代に月島でもんじゃ焼きというものを初めて食べたとき、東京の人間だとはいえかなりのカルチャーショックを受けたものだ。それ以来、もんじゃ焼きのファンになった。
 実家の塀の前に電柱があって、その電柱を支えているのか地面に向かって斜めにワイヤーが張ってあり、その途中に何やら白い玉のようなものが付いている。子供の頃からこの微妙な造形の白い玉は何だろうと思っていたが、大人になってそれが碍子というモノであることがわかった。それ以来、碍子のファンになった。
 ある時、テレビで日本碍子という会社のコマーシャルが流れていて、あの白い玉をたくさん作っている会社だろうかと密かに心を躍らせた。それ以来、日本碍子という会社のファンになった。就職するなら、ここしかないな、いや就職しないとしても株を買うときは日本碍子だな、と思っている。まだ何もしてないけど。

2003.02.16
 井筒啓之氏+穂村弘氏による『ブルー・シンジケート』出版記念トーク&サイン会へ行く。
 どちらかというと、穂村さんによる井筒さんへのインタビュー的な感じもするトークであったが、穂村さんが短歌を作るようになった経緯を知って驚き、デジタル的に言葉のすげ替えが可能だと仰っていたことに共感した。また、井筒さんが絵を描いていて気に入らなかった部分をグレーで塗りつぶし、それがそのまま『ブルー・シンジケート』のイラストレーションになっていて、この(グレーの)部分は何ですかと問われ、何を描いたのか覚えてもいないところに驚き、イラストレーションが説明的にならないように心がけて、技術はそれほど必要ではなさそうだと仰っていたことに共感した。この本が出版されることになった経緯も非常に興味深かった。
 私自身も、イラストレーションを描く時、できるだけ説明的にならないように注意しているが、本来illustrateというのは図で説明する意味であることを考えると妙だ。それにこの「説明的でない」という考えは欧米では理解してもらえない可能性が高い。また、極めて説明的なイラストレーションがジャンルとして成立するのも当然だし、そうでなければ偏りすぎて面白くないとも思う。それでも自分はこの「説明的で無さ」に魅力を感じて仕事をしている気がする。これって実は俳句かもしれないなあ。

 青山ブックセンター、自由が丘店へは度々行くのだが本店は実は初めてであった。そのビジュアル関係の本の充実ぶりは危険としか言いようがない。『まほちゃん』などの写真集やらデザイン書やらを5冊ほど買って帰る。

2003.02.08
 バーニー・フュークス展を見に行く。
 なんというか、やっぱり初期の作品のほうが全然良いのではないだろうか。今日見た中ではケネディを描いた印刷物が一番好きであった。
 展示はイタリアの風景などを描いた最近の作品がほとんどで、いちおうイラストレーションではなくてファインアートという紹介だ。しかしなあ、これはやっぱりイラストレーションでしょう。暴言を吐くならば、現代において世の中の具象画は全部イラストレーションだと思う。というわけで、どんな人の作品も具象を描いている限り、イラストレーション。これはわかりやすい(笑)。

 青山にあるイラストレーターS氏の仕事場で打ち合わせ。
 以前、彼がカリフォルを訪ねてくれた時に、アトミウムのフィギュアを熱心に眺めていたので、前回の打ち合わせの時に、お土産として差し上げた。この時も「本当に貰ってもいいの?」「買わなくても大丈夫?」と散々確認していたが、今日も再び「アレ、どうもありがとう。本当にいいの?」「あとでやっぱり返してよって言わない?」「あとになって気が変わっても遅いよ」って子供じゃないんですからねえ(笑)。
 このアトミウムは、いわゆるスーベニール・ビルディングの一種で、彼は他にもこの手のヴィンテージモノをいくつか持っている。それらは私のテイストにも合っているので喜んでくれたら素直に嬉しい。
 
ケースの中には、これらの他にアンティークで金属製でペイントのだいぶ剥げた動物たちのフィギュアなどが並んでいる。大きさや形こそ最近大量生産されている食玩と似ているが、やっぱり時を経たモノはどこか味があってグッとくる。
2003.02.05
 もう二月になってしまったか。

 数日前にやっと梨木さんの絵本を終えて、あとは見本が出来るのを待つばかり。随分永かった、ような気がするなあ。それでも今回は色校もたくさんとったし、箔押しやバーコ印刷も試せて贅沢なことであった。
 現在、もう一冊の絵本もそろそろ最後の追い込みというところ。楽しく描いてはいるが、なかなか納得の行く形を描けず、実は予想以上に苦戦中。
 
 ということで、最近よく描くモチーフは女性と犬。それともちろん地底。描き慣れていないせいか、猫は犬より難しい。慣れないほうがよいに決まっているが。

 海外のディーラーから買って送って貰った品物が壊れて届く。実はよく起こる。まとめて買った灰皿同士が箱の中でぶつかってボリボリに割れていたり。こういう時に限って保険をかけていなかったり、かけるのを忘れられたり。こんな梱包じゃまずいだろうというのも多くて悲しい。損することも痛手だが、また一つ良いモノが世の中から失われたことが何より悲しい。

2003.01.30
 腱鞘炎になったか右手首が痛い。毎日タブレットで絵を描いているわけだが、私の描法では筆圧感知の機能は必要ないにもかかわず、気がつくとかなり力が入っている。
 いつか右手がダメになった場合にそなえて、左で描く練習もしなくてはいけないだろう。クロッキーなどするときには、左手で描くのもけっこう面白いものであるが、タブレットを左手でと思うと全くやる気をなくすなあ。やってもしないのに言うことではない。

 アップルのシネマディスプレイがずいぶん安く価格改訂されていた。先に買ったものとしてはずいぶんなことだ。おまけに22インチなどはもう売られてもいないではないか。

 松井ヤンキース入りの件で、なにやらエージェントが話題になっている。日本には馴染みがないが根付くかどうかというテーマも多い。少なくともイラストレーターのエージェントに関して言うと、日本では全然根付かないようだ。思い当たる理由はいろいろあって、根付かないのもわかるような気がする。

2003.01.18
 所用で大井町へ行った。実はこの駅に降り立つのは生まれて初めてだ。駅前にはロータリーがあってアトレやハンキュウやイトーヨーカドーなどもある、かなり大きい駅だ。
 商店街らしきところを歩き、「へぇー」とかー「フわぁー」とか言いながら初めて見る町の新鮮さをしばし楽しむ。
 ちょっと一杯ということになって、居酒屋を探していると、赤提灯のたくさん連なった狭い路地を発見した。一軒一軒中を覗きながらどこにしようかと迷いつつ歩く。妙に焼鳥屋が多い。こう焼鳥屋が多いと、やはり焼き鳥を食べたくなるのが人情だ。しかし、どこも狭くて混んでいてとても気軽に入れる雰囲気ではなかったので、結局最初に目をつけていた表通りの居酒屋に決める。
 中へ入ると、出てきたのは中井貴一(によく似た店員)だ。「いらっしゃいませ。お二階へどうぞ」と案内される。
 二階へ行くと、出てきたのは中井貴一(によく似た店員)だ。しかし、さっきの中井貴一とはあきらかに別人の中井貴一だ。二階はがやがやと混んでいる様子で、「いらっしゃいませ。一階のほうへお願いします」という。
 一階へ降りていくと、出てきたのは最初に会ったほうの中井貴一だ。「いらっしゃいませ。お二階へどうぞ」という。
 どうもこのあたりで少しおかしいなと思う。中井貴一が二人も居る店なんて。しかしまあ、気を取り直して言われた通りに二階へ行く前に、念のために二階では一階へ行くように言われたことを伝えると、座敷に通された。
 座敷に入ってテーブルにつくと、どうも何かが違う。よく周囲を観察してみると、店の中が昼間のように明るいのだ。夜だというのに、向かい側に電気屋でもあるのか、窓からさんさんと光りが差し込み、その上店内の照明も居酒屋らしからぬ蛍光灯がこうこうと焚かれている。
 どうも今日は異界に足を踏み入れてしまったらしい。都立大の某店といい、異界に迷い込むことはたまに、ある。
 中井貴一ではない店員が注文を取りに来たので、生ビールと鯨の竜田揚げ、それから焼き鳥数本を頼む。ビールのほうはしばらくして来たが、つまみが待てど暮らせどやってこない。すでにビールは飲み干している。
 やっと鯨の竜田揚げが来たが、飲物がないのでビールを注文する。しかし待てど暮らせどつまみはおろか、ビールさえやってこない。とうとうしびれを切らして外へ出た。レジでは、隣の客が頼んだウーロン杯の代金まで払わされそうになった。

 異界はまだ続くのである。こうなるともう、いつスティーブン・キングが出てくるかというところだ。

 ビール一杯と鯨では不満なので、赤提灯の並びの、これまた最初に目をつけておいた手打ちうどん屋へ入る。外の看板にはたぬきうどん+かやくご飯550円などと書いてある。
 中はカウンターのみの一見立ち食い蕎麦屋のような雰囲気の店だ。他に男性客が二人飲んでいる。早速、たぬきうどん+かやくご飯550円を注文する。カウンターの中では爺さんマスターが釜にうどんを放り込む。と、突然レトルトのモツ煮を暖めて男性客に差し出す。客は「このレトルトのモツ煮は美味いよね」などと言っている。
 そのうちに新しい男性客が一人入ってくると、「生と缶ビール」を注文した。私は生ってビールかそれとも何かのつまみか?と思ったが、出されたものを見れば生酒と缶ビールとグラス二つだった。
 私がなかなか出てこないうどんを待っていると、生と缶ビールの客が「マスター、このグラス洗おうか」などと言っている。どうやらグラスが汚れているらしい。そこに白いものが残っている。「誰か牛乳でも飲んだんじゃないの?」と客。「そういえばオレが牛乳飲んだかもしれない」とマスター。大丈夫か、ここの店。
 その間にも、私のうどんは釜の中で泳いでいたわけであるが、心配しつつ待っていると、おばちゃん一人来店である。おばちゃんが何を頼んだか忘れたが、マスターも何を頼まれたか忘れたらしく、「たぬきだっけかき揚げだっけうどんだっけ蕎麦だっけ」などと言っている。おばちゃんは「何でもいいよ」と言っていたし、要するに何を頼んでもマスターの好きなモノが出されるらしい。その証拠に私の頼んだのはたぬきうどんだったにもかかわらず、散々待たされて出てきたのはかき揚げうどんだった。予想に反して味はまあまあ、まともであったが。
 それから、最初にいた男性客が納豆蕎麦を頼むと、マスターはうどんを釜に放り投げ・・・・。

2003.01.15
 アメリカのことだが、全米はもとよりヨーロッパからも多くのイラストレーターが集まるカンファレンス(ICON 3)が開催されるようになって、来年がその三回目である。一、二回目とサンタフェで行われていたものが、来年はフィラデルフィア(アメリカ人はフィリーと呼んでいる)だそうだ。
 私は一度も参加したことはないが、できたら参加するようにとレップが皆に呼びかけている。
 私の好きなMark Ulriksenなど有名イラストレーターによるスピーチがあって面白そう。参加してみたいとも思うケド、まあ、英語なので何言ってるかわからないだろうし、気楽に楽しめるという感じではないかもしれない。そのうち、いつか。日本から参加する人は果たしているのだろうか。
 そういえば、私がこのレップと契約したのも、もともとMark Ulriksenが居たからなのだが、彼は何故か辞めちゃったらしい。

2003.01.06
 月曜日になったと思ったらいきなり連続の〆切地獄な・・・。苦しい。
2003.01.03
 あけましておめでとうございます。今年もよろしく。

 さて、一向に進まないサイトの更新だが、正月くらいは少し手を加えようというわけで、英語バージョンのほうに少しページを追加。日本語バージョンと同じにしようとしても、英語でどう説明してよいかわからず、そういうものは全部省略。

 カリフォルのサイトのほうは、やっと都築まゆ美さんのオリジナルを販売開始。非常にお買得だと思うので、この機会に是非どうぞ。

 そういえばレップからカタログが届いたので、久しぶりにThe Artworksのサイトへ行ってみれば、彼らのポートレート写真あり。
 これを見て初めて相手がどんな人だか知ったわけだが、想像していた人物像とは随分違った。相手の顔を知らずに何年も仕事をするというのは考えてみれば不思議だ。本当は会いに行って直接話せばもっとやりたいことも伝わるのだろうけど、遠い。